Memorandum 20110324

□「バベル」

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

主演:ブラッド・ピット

旧約聖書、バベルの塔のエピソードからの類推するタイトル。タイトルによってテーマが明白だが、映画は最初から最後まですべてバラバラ。カタルシスはなく、エピソードそれぞれにも魅力はない。異なる地域のそれぞれの人間模様にもなんら心うたれることはなく、ただ淡々と語られていく時間に身を委ねるのみ。役者それぞれの演技は上手いが、そもそもなぜこの映画がそれほど評価されるのか。

ただ、その中でも音楽と各都市の風景をマッチさせる編集はすばらしい。メキシコに入った際、車から子供たちが外を眺める一連のカット。異国を異国さながらに切り取るカットの連なりは秀逸。

登場人物それぞれの心や言葉が通じないことで、その関係性や状況が破滅的な決着へと突き進んでいく。そうした意図はわかるが、ストーリーが面白くないのは、ちょっと致命的なのかと。観客とのディスコミュニケーションも含めての「BABEL」であるというなら完成された映画だと言える、けれどもそこはきっと考え過ぎだろうか。